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mekakusheセルフライナーノーツ│TVアニメ『九龍ジェネリックロマンス』エンディング楽曲・挿入歌

2025.06.18(Wed)

2023年にバンダイナムコミュージックライブのプライベートレーベル・akogare recordsよりデビューし、コンスタントな楽曲リリースやコラボ企画、フェスやイベントへの出演など精力的に活動する新進気鋭の女性ソロシンガーソングライター"mekakushe（メカクシー）"。
作詞、作曲、歌唱、ピアノ演奏を自ら手がけ、エレクトロニカを基盤にライブではクラシカルなソロやバンドセットなど、止まり知らぬ音楽性で人気を博しています。

2025年4月、原作が累計発行部数150万部を超える眉月じゅんによる大人気ミステリー・ラブロマンス『九龍ジェネリックロマンス』のTVアニメ放送に際し、mekakusheがエンディング楽曲と挿入歌2曲を担当。4月、5月、6月とTVアニメ『九龍ジェネリックロマンス』起用楽曲を毎月配信リリースしてきました。

作品の舞台である「九龍城砦」のイメージをふんだんに盛り込んだ、大人の恋と葛藤を綴るオリエンタル・ポップチューン「恋のレトロニム」（TVアニメ『九龍ジェネリックロマンス』エンディング楽曲）、
スキップするような軽快なリズムと、まるでカラフルな星々を詰め合わせたような心弾けるポップナンバー「わたしだけのポラリス」（TVアニメ『九龍ジェネリックロマンス』第7話挿入歌）、
胸に秘めた複雑な女性心を綴ったアンニュイなポップソング「ユワナメロウ」（TVアニメ『九龍ジェネリックロマンス』第10話挿入歌）の3曲が、
より味わい深くなるセルフライナーノーツが届きました！

「恋のレトロニム」

レトロニム（英語: retronym）とは、ある語の意味が時代とともに拡張された、あるいは変化した場合に、古い意味の範囲を特定的に表すために後から考案された語のことを指す。

恋をしているときの身体の真ん中の異質さを言語化するのは極めて難しい。恋により集中された身体の真ん中は熱くなり、いつの間にか心に新たな惑星が増えるように、わたしは歌詞やメロディーを生む。生活の一番近くで起きた隕石の衝突とでも言うように、身体の中に広がるあべこべな宇宙空間。恋の瞬間は鮮烈で衝撃的なものであるゆえに、そのほんの一瞬を繰り返し思い出し、永遠になるよう歌に閉じ込めようとする。誰かを想うことを何度も繰り返すこと。懐かしく古くなってゆく感情に新たに名前をつけること。恋も音楽もその連続であり、わたしの身体に兆した思念が音楽と結びつくとき、恋の歌が生まれる。
わたしにとって音楽をつくることは一過性の熱を記憶する唯一の方法だとも言える。忘れられない、忘れたくない想いに出会うと日記のように歌詞に書き留めたくなる。名前をつけたくなる。それこそ「恋のレトロニム」であり、本来一瞬であるはずの恋の煌めきを音楽の中では永遠にすることができる。だから何度だって、恋をするように、この歌をうたう。

「わたしだけのポラリス」

もう何日も夜に閉じ込められているかのような眠れぬ真夜中こそ創作の神様は起きていて、そんな夜には決まって星のように歌詞やメロディーが降ってくる。

眠ろうと思えば思うほど頭の中が鮮明になるから、あきらめてベッドから抜け出す。空気の透き通った冬の終わりの真夜中を散歩するのが好き。夜空に手をかざして爪の形を確かめてみたり、雲に隠れてぼんやり滲んだ水彩画のような月の色の移り変わりを観察したりする。そして帰りのことも考えながら出来るだけ遠い場所まで歩いてみる。偶然見つけた見晴らしのいい公園の冷たいベンチに座って歌詞を書く。お守りになるような星空を眺めながら、この世界に星があってよかったと思った。そして、どんなことがあってもそばにいてくれる大事な人を思い浮かべていたら、わたしだけのポラリス、という一節が降ってきた。
それにしても、初めて歌詞の中に星の名前を借りられたのは、星も音楽も誰のものでもないと気づいたから。星も音楽も、誰かを想う気持ちも、わたしだけのもの。

「ユワナメロウ」

この間、動画サイトで太陽フレアの映像を見ていたら、湯船に落とした入浴剤が上へと立ち込むときのもわもわを思い出した。生活と宇宙は一番遠くにあるようで、歌詞の中に同居させられるほど近いものだと思う。どうして出会えたのかなんて考えても仕方ないことを夜通し考えていると、子どもの頃に宇宙に壁があるのか想像していたら怖くて眠れなくなった夜のことを思い出す。
日常性と、非日常性。現実は美しさだけで言い尽くせないほど不安で不穏だから、目の前のことをありのままに描こうとすると突飛なモチーフをつい込めたくなる。わたしがたびたび宇宙について歌うのは、それが理由かもしれない。恋について歌おうと歌詞を書きすすめていると、いつも最後は宇宙について歌っている。

■TVアニメ『九龍ジェネリックロマンス』作品基本情報

＜放送情報＞

2025年4月より毎週土曜日23時　テレビ東京系列ほかにて放送中。

＜ストーリー＞

ノスタルジー溢れる街「九龍城砦（くーろんじょうさい）」の不動産屋で働く鯨井令子（くじらいれいこ）は先輩社員である工藤発（くどうはじめ）に心惹かれていた。その恋を自覚した令子は、1枚の写真から工藤にはかつて婚約者がいたことを知るのだが、その婚約者は自分と全く同じ姿だったー。妖しくも美しい九龍の街で繰り広げられる日常。秘めた想いは密かな願いと成って、衝撃の真実を連れてくる。過去・現在・未来が交錯する中、恋が、秘密を解き明かすー。

＜スタッフ＞

監督：岩崎良明
シリーズ構成・脚本：田中仁
キャラクターデザイン：柴田由香
総作画監督：竹本佳子・中谷友紀子
美術監督：金子雄司
美術デザイン：平澤晃弘
プロップデザイン：岩永悦宜
色彩設計：松山愛子
撮影監督：今泉秀樹
編集：吉武将人
音響監督：明田川仁
音楽：佐高陵平(Hifumi,inc.)
アニメーション制作：アルボアニメーション

＜キャスト＞

鯨井令子：白石晴香
工藤発：杉田智和
蛇沼みゆき：置鮎龍太郎
タオ・グエン：坂泰斗
楊明：古賀葵
小黒：鈴代紗弓
ユウロン：河西健吾
小黒(青年)：斉藤壮馬
鯨井B：山口由里子

＜主題歌＆楽曲＞

OP主題歌：水曜日のカンパネラ「サマータイムゴースト」
ED楽曲：mekakushe「恋のレトロニム」

＜原作＞

原作「九龍ジェネリックロマンス」眉月じゅん（集英社「週刊ヤングジャンプ」連載）
単行本1巻〜11巻好評発売中！

＜作品公式サイト＆SNS＞

公式サイト：https://kowloongr.jp/
公式X：https://x.com/kowloongr_jp
公式Instagram：https://www.instagram.com/kowloongr_jp/
公式TikTok：https://www.tiktok.com/@kowloongr_jp
ハッシュタグ：#九龍ジェネリックロマンス #九龍GR

mekakusheプロフィール

作詞、作曲、歌唱、ピアノ演奏を自ら手がけ、アーティストやクリエイターから絶大な人気を持つ次世代シンガーソングライター"mekakushe"
3歳からクラシックピアノをはじめ、次第にポップスに傾倒。自主制作楽曲が花王ロリエCMに起用、多数楽曲がSpotify公式プレイリストのトップアーティストを飾り、累計300万回再生を達成するなどこれからの活躍が期待される新進気鋭のアーティスト。
音源ではエレクトロニカを基盤に、ライブではクラシカルなソロやバンドセットなど、その音楽性は拡張し続けている。

■mekakushe公式YouTubeチャンネル：https://youtube.com/@_mekakushe_
■mekakushe公式X：https://twitter.com/_mekakushe_
■mekakushe公式Instagram：https://www.instagram.com/_mekakushe_
■mekakushe公式TikTok：https://www.tiktok.com/@_mekakushe_
■mekakushe公式HP：https://www.mekakushe.com

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