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【インタビュー】デジタルシングル「無色透明のモーメント」(仲村宗悟 feat. 大胡田なつき)リリース記念インタビュー

それぞれがそれぞれの場所でそれぞれなりに輝く“きっかけ”になれるメッセージ

声優・シンガーソングライターの仲村宗悟が、4人組ロックバンド・パスピエのヴォーカルである大胡田なつきをフィーチャリングアーティストに迎えた楽曲「無色透明のモーメント」を2026年9月30日(水)にデジタルリリースした。
 
仲村宗悟と大胡田なつきは専門学校時代からの“盟友”。8月30日に開催された2MAN LIVE「仲村宗悟 presents X OVER × パスピエ」に向けて制作されたのがこの「無色透明のモーメント」である。
 
本インタビューは2MAN LIVE「仲村宗悟 presents X OVER × パスピエ」当日に敢行。初披露直後の感想もうかがうことができた。

Interview & Text by 高梁 渚
Photo by 遥南 碧

盟友同士、10年超のスキルの“フュージョン”

——この楽曲が制作されると決まった時の気持ちを教えてください。

仲村宗悟(以降 仲村):僕から僕のチームに「“大胡田と2人で作る曲”を作りたい」と投げかけたら、ふたつ返事でOKをもらえたのでそこからスタートしましたね。大胡田の気持ちを訊いてみたいな。

大胡田なつき(以降 大胡田):私は対バンが決まった時に、「お互いの楽曲を一緒に歌えたら」と思ってたんですけど。「まさか楽曲を一緒に?しかも1から作ってやれる?そんなことある?」と思って嬉しかったです。なんかすごいスペシャルすぎるって・・・

仲村:歌詞を大胡田に書いてもらえると決まった時、本当嬉しかったなあ、すごく。本当に2人で制作ができるって。

大胡田:(資料を指差しながら)だってほら、“盟友”って書いてあるよ。

仲村:本当だ(笑)

——ぜひ制作のお話も詳しく訊かせてください。本楽曲は仲村さんが作曲、大胡田さんが作詞をご担当されていますが意識したところはありますか?

仲村:メロディを作るにあたって、曲全体がエモーショナルではあるんだけど、“エモーショナル一辺倒”にならないようにはしたかな。過去を思い出して、エモーショナルな気持ちではあるんだけど。「過去があったから今があって、未来につながる」みたいな思いを伝えられるように意識しながら書いていましたね。

大胡田:Aメロとかは聴いていてパッと浮かぶのが日常風景だったりするなあ。メリハリあるけど、サビがブチ上げ!とかじゃなくて。生活の中にあるような感じ。

仲村:あ、でもそれは意識したかも。

大胡田:生きているものの中にある感じのメロディーだなと。

仲村:(頷く)

大胡田:私は・・・2番のAメロに「相変わらずだよねって褒め言葉」という節があって。
いつだったかな、宗悟に久しぶりに会った時に、お互い変わんないね!みたいな話をしたんですよ。その後に、宗悟がSNSで「宗悟って全然変わんないね、って言われる。良いことだよな?そうだよな?」って呟いてたの。で、受け取り方で色々あるなと思って。良い部分もあるし、悪い部分もあるかもしれないな、っていう。
そんな2人のストーリーを歌詞に入れられたのが自分的にアツいです。

——制作期間中のお二人の会話ってどんな内容があったんですか?

仲村:(大胡田から)「歌詞のイメージある?」って連絡をもらいましたね。ざっくりこうかな?みたいなのは話しましたけど、自分が作曲をした分、作詞も大胡田の感性で作ってもらっているから・・・僕からは曲を作った時のイメージの単語を3つくらい伝えました。“風”とか“時間”とか。

大胡田:そういうふんわりしたものだったから、むしろ書きやすかった。

仲村:エモーショナルな楽曲ではあるけど、泥臭くはなりすぎなくて良いかも、という話はしました。

大胡田:パスピエの楽曲ではいつも歌詞を書いてから、リーダー(成田ハネダ氏)と話し合って書き直したりもするんですけど。この楽曲は宗悟がその時の衝動みたいな気持ちとか新鮮さを大事にしたいからって言ってくれて、ほとんど直さず。

仲村:この楽曲はそうしたいなと思いましたね。
捏ねて、捏ねて、とやるブラッシュアップしていく良さもあるけど、今この瞬間に出てくる思いとか気持ちとかをガシッと固めたい一曲だった。曲もそうしたから。サビの母音がちょっとこもって聴こえそうだったから、そこを変えたくらいでほぼ直さずでした。

大胡田:本当にすごい鮮度で一緒になった感じですね。

癖も技も恥じらいも。全部“ここ”に詰め込んだレコーディング

——レコーディングはおふたりで一緒にやられたとのことですが。

仲村:僕からレコーディングをしたんだけど・・・小っ恥ずかしかったっすね(笑)ボーカリストの前で歌うんか!みたいな。

大胡田:でもわかる、ちょっとあるよね(笑)

仲村:バンドメンバーの前とかだったら全然良いんだけどさ!気恥ずかしさというか。

大胡田:すごいボーカルブースが広かったんですけど、宗悟がすっごいウロウロするの!(笑)

仲村:日常生活でもそう。集中している時こそそれするんよ!(笑)みんなに言われる。

大胡田:めちゃくちゃうろうろするじゃん、て(笑)
しかも、ヘッドフォン付けてるからさ、鎖に繋がれてるみたいでさ。むしろ自由にさせてあげたくなった(笑)それが思い出ですね。

——お互いディレクションしあったりも?

仲村:僕は作曲をしたので、大胡田に「ここもっとこうしてほしいな」とか、音で表現している部分に関してはちょっとだけさせてもらいました。でもそんな「ここ違う!」みたいなのはひとつもなかったな。

大胡田:結構、お互い歌声が違うタイプじゃない?だからこそ一緒にやるっていうのが面白かったです。こういうフィーチャリングやったことないから新鮮だったな。

仲村:本当に昔からなんだけど、語弊を恐れずに敢えて言うけど、大胡田の声は本当に面白い!特徴があるからこそ面白い。俺はすごい好き。めっちゃ褒めてる意味でね!

大胡田:ありがとう(笑)

仲村:ボーカリストっていう感じがします。

大胡田:・・・褒められた(笑)ありがたいです。

——今回のレコーディングではパスピエのメンバーが楽器で参加しましたね。

仲村:いつもと違う風が吹いたなと思ったな。

大胡田:(超小声で)よかったです・・・

仲村:アレンジはいつもの村山☆潤さんだけど、パスピエらしさも感じられるような。

大胡田:最初は、パスピエのバンドメンバーも一緒にやらせてもらえるって思ってなかったから。こうイベントに呼んでいただいて、楽曲にも全体的に関わらせてもらえるなんてね。それこそ、こんなことあるんだなって思いましたね。

「嬉しい」—ふたりの“時間”の結晶

——完成した音源を聴いた時の率直な気持ちはいかがでしたか?

仲村:もう「嬉しい」と思ったな。

大胡田:うん。

仲村:人生の中でこんな時って来るんだ、って思ったな。

大胡田:わかる。自分が歌をやっていて、誰かと一緒に歌うということを考えてもいなかったから。

仲村:僕も全然なかった。

大胡田:聴いてみて、自分の声と宗悟の声とが合わさっているのがすごく不思議だった。なんか色々思い出しましたね。

仲村:うん。

大胡田:別々に大人になって、別々に音楽活動を続けていたからこそ、こういうことができたんだろうな。

仲村:マジそうだよね。

・・・ちょっとだけ思い出話に花が咲く。

トリガーは“過去”—誰しもの心の奥底にきっとある“あの頃”が共感する楽曲

——「無色透明のモーメント」どんな人たちに届いてほしいですか?

大胡田:そりゃ全人類に聴いてほしいけどね!

仲村:そりゃもちろん前提として。
でも、散り散りに生活をしているあの頃の仲間たちが聴いたらどんな感じなんだろうと思って。

大胡田:あーなるほどね!私たちのあの頃の知人ね!そうだね。

仲村:それぞれの場所で聴いていてほしいな。この曲のメッセージとしても、僕と大胡田ふたりだけのじゃなく、その時出逢った人たちにも刺さるような歌詞ではあるから。

大胡田:一応歌詞は私と宗悟の今までのこととかをイメージして書いた歌詞だけど、みんなそういう道を辿ってるじゃん。小学校、中学校で卒業して、その後どこかに行って、また会う時もあれば、みたいな。
そういうあるような流れを踏襲して書いているから、いろんな人が「あぁ」って思う部分もあると思う。

仲村:そう。ここでまた別に何か思ったから、これがあったから、っていうきっかけで会おうか、みたいな感じっていうよりは、それぞれがそれぞれの場所で思えることがあるんじゃないかなって。
今の生活頑張ろうって思うかもしれないし、あの時ああだったなと思うかもしれないし。いろんな感情があっていいと思うんです。そうなってくれてたらいいな。

仲村宗悟へ個別質問

——大胡田なつきが書き上げた歌詞を見て

仲村:自分が出会った時から大胡田はオリジナルで曲を書いていて、今もパスピエの楽曲の歌詞を見てもそうだけど、大胡田自身が“言葉が好き”なんだろうなと。この曲も大胡田らしい言葉でとても素敵だなと思いましたね。
特に、さっきも出た2番のAメロの言い回しはいかにも大胡田らしいと思います。(その部分を口ずさむ仲村)

——エモーショナルなトップラインはどのように?

仲村:「一緒にライヴをやります」となってから、大胡田のことやあの頃のこと、自分が当時どうしてたかなとか考えたり、それからいろんなものを経て今こうなってるなとか考えたり。そんなふうにして書きました。
あと、ユニゾンの部分とハモリの部分を作りたい、っていうのが僕の中では結構あった。それが人生じゃないけど、うまく交差する時もあれば、離れてしまう時もあれば、重なる時もあれば、みたいな。メロディ的にもそれがよく表現できたんじゃないかなと思っています。

大胡田なつきへ個別質問

——仲村宗悟が書いたメロディを最初に聴いた印象は?

大胡田:ベターに行くか、敢えて素っ頓狂な歌詞で行くか、どっちにしようか2択が浮かびましたね。
メロディと鼻歌をいただいた時、こういうメロディはパスピエの楽曲でいうと“バラードよりのちゃんと書く系のもの”か“言葉遊びがすごく入っているもの”なので。

——“仲村宗悟らしさ”はありましたか?

大胡田:ちょっと“跳ねのリズム”があるじゃない?それがすごい弾き語りらしいなって思いましたね。私のイメージですけど、ギターを弾いてる方特有なのかな。

仲村:でもわかるよ。今までオリジナルで出させていただいている楽曲も、弾き語りデモの時は“跳ね”だったのが、最終的には“跳ね”じゃないものにしている楽曲も何個かある。

大胡田:え、そうなんだ。

仲村:自分で弾き語ってる時は“跳ね”ているのが結構な割合であるのかもな。

大胡田:そっか。そこがすごく、いつも弾き語りでギター触って曲作ってるんだな、っていうのが浮かびましたね。

“想像は優しさ”—初披露を控えた仲村と大胡田の心境

——初披露がこのあとありますが、意気込みなどあれば

仲村:逆にないかも。素敵なものを作ったなという思いがあるから、それをそのまま届けられたらと思う。聴いていってよ、っていう感じ。

大胡田:まだイントロしか世に出ていない状態なので、宗悟のファンの方、ライヴに来てくださる方もそうだけど、どういう風に聴いて、どういうふうな気持ちで聴いてくれるのかなって。今想像でしかないので、お客さんの顔とかを見たいなって。

仲村:僕たちの学生時代を知らなくとも聴いてくださる方が、自分の学生時代や昔のことを思い出してくれたり、いろんなことを想像してくれたりしてくれるんじゃないかな。想像するって、すごい優しさだと思うから、これを聴いて優しい空間が広がればなと思います。

―――――
このあと、ライヴのアンコールで「無色透明のモーメント」を初披露。イントロしかまだ世の中に出ていなかったこの楽曲の全貌が明らかに。フロアはうっとりと、向かい合って歌う仲村と大胡田を見つめ、その間に流れる時間や感情に恍惚としていた。


〜初披露後〜

“良いうまれ方をした”—「無色透明のモーメント」が“完成”

——無事、「無色透明のモーメント」の初披露を終えました。

仲村:ああもうなんか、大胡田と歌えることの幸せみたいなものがすごいステージの上でドドドドドドって押し寄せました。

大胡田:いやもう、ハーモニーでしたね。宗悟と私もそうだけど、バンド(ライヴ当日は仲村宗悟バンドで披露)と、お客さんの雰囲気と、いろんなものが重なって。「無色透明のモーメント」の良い駆け出しじゃないですか?

仲村:うん、確かに!

大胡田:良いうまれ方をしたと思います。

仲村:やっとひとつ、曲が形になったな、って感じがしました。

——最後に、「無色透明のモーメント」の魅力をずばり、一言で!

仲村:「時の重なり」。重なった先の結晶というか。

大胡田:なるほど。やっぱ時間に関係することで、流れている時間の中に自分がいるっていうのを感じられることかな。

仲村:うん。

大胡田:「時間」って、“一瞬の積み重ね”っていう考え方と“流れるもの”っていう考え方があると思うんですけど、この曲は、曲とか歌詞とかもそうなんだけど、“流れの中にいるもの”を書いているから。“流れ”を感じられる曲になっていると思います。

【おまけ】 他己紹介—仲村宗悟から見た大胡田なつきとは?「世界観を提示できる人」

仲村:出会った時から大きな人格は変わってないだろう、きっと。

大胡田:あの時はさ、人間が出来あがっちゃってるからさ。

仲村:いやでも、あの時からなんか面白い人でしたけどね。(笑)

(一同笑い)

仲村:なんだろうな。独特な良さがいっぱいあって。学生時代は人前に立つと恥ずかしがる人も周りにいたけど、大胡田はちゃんと「自分の世界観はこうです」って提示できる人だったなって思います。

大胡田:(笑)

仲村:僕は結構昔からふざけがちだから。歌を歌うときは真面目にやるけど、それ以外のことはふざけて逃げてたから、そことは対照的で素敵だなって思っていました。

他己紹介—大胡田なつきから見た仲村宗悟とは?「純度の高いまま発信できる人」

大胡田:今も昔も宗悟は声が良くて。自分の表現したいことを、その声を使って、純度が高いまま表現していける人だろうなって思ってます。
あと、私はムードメーカーみたいなものには自分が慣れなくて。逆にそっちが恥ずかしくて出来ないっていう感じなんですよ。だけど宗悟ってどんな人にも等しく興味とか愛情とかを持っている雰囲気がすごくあったので、いろんなことを繋げていける人だなって思いますね。おそらくそういう人です。

仲村:そうです(笑)

―――――
インタビューは終始にこやかに、和気藹々として進んだ。
仲村と大胡田が重ねてきた人生、それぞれがそれぞれのフィールドで得てきたこと、積み重ねてきたものがこの「無色透明のモーメント」の曲にも歌詞にも詰め込まれている。
“伝えたいことは曲に詰め込んだ”とふたりは語る。筆者は、この曲こそ“誰もが帰れる場所”なのかもしれないと感じた。

◼︎Release Information

無色透明のモーメント

無色透明のモーメント / 仲村宗悟 feat. 大胡田なつき

作詞:大胡田なつき 作曲:仲村宗悟 編曲:村山☆潤
配信URL:https://lnk.to/LZC-3595PR

-Recording Musician-
Piano & All other instruments:村山☆潤
Keyboards:成田ハネダ(パスピエ)
Guitar:三澤勝洸(パスピエ)
Bass:露崎義邦(パスピエ)
Drums:河村吉宏

◼︎仲村宗悟 Profile

仲村宗悟

1988年7月28日生まれ、沖縄県出身の声優・シンガーソングライター。
2015年にゲーム「アイドルマスター SideM」の天道輝役で声優デビューを果たし、これまでに「THE FIRST SLAM DUNK」宮城リョータ役、「ブルーロック」我牙丸吟役を担当するなど様々な作品に出演。
2019年に1stシングル「Here comes The SUN」でアーティストデビューを果たし、これまでに8枚のシングル、3枚のアルバムを発売するなど精力的に活動中。
ほとんどの楽曲を自身で作詞作曲し、等身大で親しみやすい歌詞とメロディが同世代から多くの支持を得ている。また、コンスタントにライブツアーを開催しており、歌唱力とパフォーマンス力で多くの観客を魅了している。

・オフィシャルサイト:https://shugo-nakamura.com
・YouTube:https://www.youtube.com/@nakamura_shugo_official
・X:https://x.com/ShugoAbc
・Instagram:https://www.instagram.com/nakamura_shugo_official/

■パスピエ Profile

パスピエ

Vocal:大胡田なつき / Keyboard:成田ハネダ / Guitar:三澤勝洸 / Bass:露崎義邦

2009年に成田ハネダ(key)を中心に結成。バンド名はフランスの音楽家ドビュッシーの楽曲が由来。卓越した音楽理論とテクニック、70s~00sまであらゆる時代の音楽を同時に咀嚼するポップセンス、ボーカルの大胡田なつきによるMusic Videoやアートワークが話題に。11年に1st ミニアルバム「わたし開花したわ」でデビュー。その後、数々の大型ロックフェスにも出演、対バン形式の自主イベント“印象”シリーズや全国でのワンマンツアーを行うなど精力的に活動中。

・オフィシャルサイト:https://passepied.info/
・YouTube:https://www.youtube.com/@PASSEPIEDChannel
・X:https://x.com/passepied_info
・Instagram:https://www.instagram.com/passepied.info/

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