Live Report
【ライブレポート】『PassCode YOKOHAMA BUNTAI 2025 “DESTINEX”』
リベンジ、そしてリスタート!自身2度目となる熱狂のアリーナ公演にて4人はさらなる飛躍を誓う!
2026年3月4日(水)に最新シングル「Liberator」のリリースが決定している、4人組女性ダンスボーカルグループPassCodeの久々のアリーナ公演『PassCode YOKOHAMA BUNTAI 2025 “DESTINEX”』が、2025年11月9日(日)に神奈川の横浜BUNTAIにて開催。
2022年の武道館公演以来、3年9ヶ月振りとなる熱狂のアリーナ公演の模様をレポートする。
セットリスト・プレイリストはこちら

PassCodeは、何かをきっかけにある日突然ブレイクを果たしたグループではない。言い換えると、一本一本のライブ、一つ一つの楽曲の積み重ねによって、着実にテクニックとメンタルとビジュアルを磨いてきた。今日より昨日のほうがよかったということはなく、どんなに傷だらけになろうとも、「今」が最強だという姿勢を常に見せてきた。それは、メジャーデビュー10年目を迎えた今も変わらない。
そういった意味では、PassCodeはアイドルでありながらも、かなりバンド的な性格をもったグループだと言える。メジャーデビュー以降、メンバーチェンジはたったの一度だけ。それも、健康上の理由によるもの。音楽性だって変わらない。
誰に何を言われても構わない。自分たちがこれまで積み重ねてきた経験、目の前に広がる道、そして長年にわたって熱心に応援し続けてくれるファン、通称ハッカーのことだけを信じ、ただひたすらに、不器用に、がむしゃらに、必死に、駆け抜けてきた。
今や、多くのライブアイドルから慕われる存在になったが、果たして今後、PassCodeのような精神性をもったグループは現れるだろうか。表には見えづらいが、PassCodeという集合体は努力と意志と継続、そしてちょっとした奇跡の結晶である。容易に真似できるものではない。

11月9日(日)、横浜BUNTAI。4人にとって2度目となるアリーナ公演は、これまでの歴史を振り返りつつも、この先も歩みを止めることはないと高らかに宣言する120分だった。さらにこの日は、コロナ禍真っ只中の2022年2月に開催され、観客の声出しが一切許されなかった日本武道館公演『PassCode NIPPON BUDOKAN 2022』のリベンジという意味合いも濃かった。だからこそ、本編最後に披露した「It’s you」には、メンバーとファンの万感の思いが込められているのが感じられた。
オープニングムービーから4人の気合は伝わってきた。廃墟に立つ4人、そして急ブレーキをかける暴走トラック。その荷台には今回のライブタイトル“DESTINEX”の文字。同曲のMVを思い起こさせる映像だ。普段、ライブハウスで泥臭い公演を行うことが多いグループなので、こういったド派手な映像演出はいい意味で刺激が強い。一気に興奮が高まるのを感じた。しかも、オープニングナンバー「DESTINEX」のイントロが鳴り響く中、4人のメンバーが登場したのは、丁字になっている花道の先にあるセンターステージ。意表をついた登場にゾワッと興奮の鳥肌が立つ。
さらに、南菜生が「DESTINEX」のMVにも登場した巨大フラッグを堂々と振り回す。派手な動きを見せずとも、南、高嶋楓、大上陽奈子、有馬えみり、この4人が横一列に並んでいるだけで画になっていた。これぞラウドクイーンPassCodeの貫禄と美しさだ。この立ち姿は一朝一夕に身につくものではない。メインステージ背後に設置された横長の巨大LEDがそんな彼女たちの姿をきらびやかに映し出す。
続く「ONE STEP BEYOND」でもアリーナ中に大歓声がこだまする。これだ、これを聞きたかったんだ。メンバーも、ファンも、みんなが4年近く夢見ていた瞬間がついにやって来たんだ。「Ray」を披露する前、南が「みんなの歓声が私たちの光!」と叫んだのは、そんな想いが口をついてのことだったのかもしれない。
最新アルバム「INSIGNIA」の楽曲も大会場で堂々と鳴り響いた。「DESTINEX」同様、「VIRIVIRI」もずっとライブハウスで鳴らされてきた曲だが、しっかり大箱映えする。LEDに映し出されるリアルタイムエフェクトも登場。PassCodeのライブでは初めて使用される演出で、最高にクールだ。
MCでは、「 3年ぶりのアリーナ公演に来てくださりありがとうございます! あのとき、約束したよね。やっと、やっと、約束を守ることができました!」と笑顔で挨拶。リベンジは、果たされた。
このあとも、新旧織り交ぜた意外性のあるセットリストで圧巻の横綱相撲が繰り広げられていく。特に、驚きと喜びが混ざった声が上がったのは「Voice」。メジャーデビューアルバムにして、最高傑作に挙げるファンも多い「ZENITH」の最後に収められているミディアムナンバーを、スタンドマイクで歌い、届ける。PassCodeサウンドの特徴でもある静と動のミクスチャーに胸が震える。当然、8年前にリリースされたのと同じ曲ではある。しかし、グループの成長がそうは聞こえさせない。あの頃よりももっと骨太で、説得力のあるパフォーマンスだった。
MCでは、新曲「Liberator」のリリースがサプライズ発表された。この曲が、来年1月からオンエアされるTVアニメ『「お前ごときが魔王に勝てると思うな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい』のオープニングテーマになることも知らされた。それだけではない。「せっかく、BUNTAIにこれだけの人が集まってるから……やっちゃいますか」といきなりパフォーマンスをしたのである。国内トップクラスの女性スクリーマー有馬えみりだけでなく、南と高嶋楓もシャウトで参加するナンバーで、ゴシックでダークな世界観は従来のPassCode楽曲にはなかったもの。壮麗なクワイア(コーラス)も登場し、PassCodeの新たな代表曲になりそうな可能性を感じた。この曲で4人は再び、新たな扉を開けるのだ。
後半戦は「MIRAGE WALKER」からスタート。この曲は有馬のシャウトから始まるのだが、フードを被った彼女が登場したのはセンターステージ。フードによって生まれた影が有馬の表情を隠し、それが彼女をダークヒロインのように見せた。間違いなく、この日の名場面のひとつだ。
サークルピットが生まれた「GROUNDSWELL」、<拝啓、大東京>の大合唱が起こった「Freely」と怒涛の勢いで畳み掛けたあとにやってきたのは「Anything New」。この曲は、コロナ禍で声を出せない中でも、ファンと一緒にライブハウスで育ててきた楽曲だ。正直、リリース当初は人気曲と言えるほどの存在ではなかったが、ライブの「ここぞ」という場面でパフォーマンスすることで、この曲の魅力をじっくり伝えてきたことで今では大シンガロングが起こるまでになった。この曲にまつわるストーリーを思い返すと、<いつかまた いつかまた>という歌詞がよりグッとくる。<どんな未来を選んで>のところで南がフロアへ向けて手を差し出した。あの頃、メンバーがこの曲を歌いながら思い描いていたのは、まさに今、この場面だったのである。南が叫んだ、「待たせたな、ハッカー!」。
記念すべきライブではあったが、MCは自然体。「感謝を伝えるライブにできたら、と思ってパフォーマンスしてた」と高嶋が言えば、「アーティスト活動を十何年も続けるのは大丈夫なん?って親も思ってたかもしれない。親孝行にみんなに付き合ってもらってるようなところもある。なかなかアリーナができるグループじゃないけど、またやりたいね」と南は早くも次回のアリーナ公演への意気込みを口にした。有馬は、これが彼女にとって実質初のアリーナ公演だという。武道館公演は彼女が加入する前から決まっていたものなので、そこの込められた想いはよくわかる。
印象的だったのは大上のMC。9年、10年も活動を続けているといろんなことを考える。ライフスタイルも変わったりして、「いつまでPassCodeやるん?」って友達からも聞かれるけど、「いつまでもこの景色を見ていたい!」ってなる――彼女の言葉にじっと耳を傾けるハッカー。「何より、みんなのことがラブでーす!」と大上は明るく締めたが、「いつまでPassCodeやるん?」という言葉はなかなかに現実的だ。正直、PassCodeのように長年にわたって第一線で活躍し続けている少人数編成のアイドルは数えるほどしかいない。1日長く活動を続けること自体がそのまま伝説になるような勢いだ。しかし、PassCodeはまだまだ伸びると自分は確信している。彼女たちの未来の可能性はいくらでも思い浮かぶ。このグループにとって、年齢の壁なんて関係ない。まだまだ余裕でやれる。そうでしょう?
しかし、現実と向き合うことも大事だ。実は、本公演はソールドアウトしなかった。南は敢えてそのことを口にし、「これは私たちの力不足」と素直に認めた。その上で、彼女は宣言した。「ここでもう一回約束してもいい? またいつかアリーナでやります。そのときは絶対にソールドさせるんで、みんないてくださいね」。
最後のブロックは「始まりの曲!」という南の声で始まった。ここ何年も耳にしてなかったイントロ、これは……「アスタリスク」だ! PassCodeが現在のラウドロック路線へとシフトチェンジした記念すべき1曲。この曲のMVがYouTubeで公開されたのは2014年2月。あれから12年近くが経ったが、今もこうしてPassCodeはアリーナのステージに立っている。センターステージで笑顔を浮かべながらツーステップを披露するメンバーの姿が誇らしかった。
本編最後にパフォーマンスしたのは、「It's you」だった。あの日、武道館で聞くことができなかった観客の歌が、BUNTAIに響いた。3年9か月もの間、蓄積した想いがついにここで爆発したのだ。ああ、今日はこの曲を歌うためのライブだったんだ、と思った。そう感じながらも、これが過去にフォーカスしたものだとはまったく思わなかったし、むしろこの先もPassCodeを続けていくためのスタートだと感じさせた。
ラフなスタイルで踊らずに歌った名曲「Echoes」、そして、今や彼女たちのライブの締めに欠かせない「Clouds Across The Moon」が、PassCodeの未来予想図を見せてくれているようだった。最後に南は言った、「またアリーナで一緒に歌いましょう! また一緒に歌をたくさん歌いましょう! 素敵な思い出をどうもありがとうございました! 後悔させないライブをやり続けますんで!」PassCodeはファンとの約束を絶対に破らない。この日、4人は我々に新たな希望をくれたのだ。




ライター:阿刀 “DA” 大志
写真クレジット:ヨシモリユウナ・森好弘
<最新リリース情報>
発売日:2026年3月4日(水)
タイトル:Liberator
アーティスト:PassCode
価格:【初回限定盤】 8,250円(税込) / 7,500円(税抜)
【通常盤】 1,540円(税込) / 1,400円(税抜)
品番:【初回限定盤】 LAMR-34040 (CD+BD)
【通常盤】 LAMR-4040 (CDのみ)
ご予約はこちら
https://lnk.to/LAMR-4040PR
<CD>
01. Liberator ※TVアニメ『「お前ごときが魔王に勝てると思うな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい』オープニングテーマ
02. タイトル未定
03. Every time, I knew ※『e 北斗の拳11 暴凶星』テーマソング
04. Liberator -Instrumental-
05. タイトル未定 -Instrumental-
06. Every time, I knew -Instrumental-
<初回限定盤Blu-ray>
PassCode YOKOHAMA BUNTAI 2025 “DESTINEX”
※詳細情報は追って解禁予定
<U-NEXT配信情報>
『PassCode YOKOHAMA BUNTAI 2025 “DESTINEX”』がU-NEXTにて独占見放題配信が決定!
【配信プラットフォーム】
U-NEXT(https://video.unext.jp/ )
【配信スケジュール】
▼ライブ映像連続配信
2025年11月13日(木)
『PassCode ASIA TOUR 2024 Final at Zepp Osaka Bayside』
2025年11月27日(木)
『PassCode presents VERSUS PASSCODE 2024 Vol.2 at Spotify O-EAST』
2025年12月18日(木)
『PassCode Zephyren 10th Anniversary A.V.E.S.T project -鼓動- at 国立代々木競技場 第一体育館』
▼独占ライブ配信
『PassCode YOKOHAMA BUNTAI 2025 “DESTINEX”』(2025年11月9日(日)横浜BUNTAI公演)
※詳細後日発表
【PassCode特集はこちら】
https://www.video.unext.jp/browse/feature/FET0012536
<Profile>
<オフィシャル情報>
■PassCodeオフィシャルサイト
https://passcode-official.com
■PassCodeオフィシャルファンクラブ “Linkage”サイト
https://passcode-linkage.com/login.php
■PassCode 各サイトLINK
X:https://twitter.com/passcodeo
YouTube:https://www.youtube.com/user/PASSCODE0000
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Instagram:https://www.instagram.com/passcodeo/
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