Live Report
【ライブレポート】BANDAI NAMCO MUSIC LIVE / MoooD Records presents ASH DA HERO × PassCode
ASH DA HEROとPassCodeのツーマンライブ『BANDAI NAMCO MUSIC LIVE / MoooD Records presents ASH DA HERO × PassCode』が、7月11日(土)に東京・Shibuya LOVEZにて開催された。
本公演は、バンダイナムコグループ初の自社ライブホールとして6月に開業したばかりのShibuya LOVEZのこけら落としライブシリーズ『Shibuya LOVEZ OPENING SERIES』の一環として行われたもので、バンダイナムコミュージックライブのMoooD Recordsレーベルに所属する2組による競演が実現。スタイルは違えど、ラウドな音楽性と熱量の高いライブパフォーマンスを共通項に持つ両者が、いずれ劣らぬアグレッシブなステージを展開した。
ステージ背面には両組のグループロゴをあしらった威風堂々たる巨大な幕が並べて掛けられ、開場直後からフロアの大半を埋め尽くした熱心なオーディエンスたちの期待をもの言わず煽る。
するとそこへ、オープニングアクトを務める4人組ロックバンド・明くる夜の羊が姿を現した。7月22日(水)にバンダイナムコミュージックライブ・UNIERAレーベルからのメジャーデビューを控える彼女たちは、完全アウェイの状況をものともせず、疾走するエイトビート、骨太なボトムエンド、エモーショナルかつ瑞々しいギターサウンド、直情的な歌唱表現で聴衆の歓声や手拍子を呼び起こし、腕を上げさせ、クラウドサーフを誘発。ダイナミックな楽曲と確かな演奏力で初見のオーディエンスをも味方につけて会場を大いに温め、オープニングアクトの大役を十二分に全うしてみせた。


■ASH DA HERO
開演時刻を迎えて場内が暗転し、フューチャリスティックな光の演出とともにEDMテイストのオープニングSE「Super Sonic」がけたたましく響きわたると、待ってましたとばかりにフロアはたちまち臨戦態勢に。するとWANI(Dr)がSEのビートに合わせてシームレスにハイエナジーなフィルインを打ち鳴らし、Dhalsim(DJ)のスクラッチプレイおよびSato(B)のディストーテッドで重厚なリフがそれに追従。3人の織りなす強烈な四つ打ちビートがみるみるうちに会場の空気をうねらせながら飲み込んでいくと、舞台袖からASH(Vo)が勢いよく飛び出して一目散にステージ前方へ。
湧きあがる客席へ向けて「初めて観るやつもいつものやつらも、Shibuya LOVEZ全員まとめて踊り散らかして遊んでいこうぜー!」と雄たけびを上げ、「YELLOW FEVER DANCE」でアグレッシブかつアジテーティブにライブの幕を切って落とした。
1曲目から早くもステージからフロアへ飛び降り、至近距離のオーディエンスにむき出しの歌声を届けたASH。そのまっすぐな熱い姿勢に対し、オーディエンスも声を枯らすほどのシンガロングや躍動的なハンズアップ、感極まったようなクラウドサーフをひっきりなしに繰り返して全力応戦していく。ステージ序盤はライブ定番曲を中心に、TVアニメ『アルゴナビス from BanG Dream!』の劇中バンド・GYROAXIAに提供したミクスチャーロックナンバー「MANIFESTO」のセルフカバーなども交えながら、次々に攻撃的なアッパーチューンを連投。バンドは否応なしに会場をヒートアップさせ続けた。


中盤では、ASHが「ちょっと飛ばしすぎたな。1回ちょっとバラードを挟もうと思います」と穏やかな口調でにこやかに告げた次の瞬間、「んなわけねーだろ!」と叫んでさらに荒々しさを加速させるひと幕も。また、要所要所でASHの口から連発される「“ここにいるみんな”じゃねえぞ、“お前”に話してるからな!」の言葉が集団心理の介在を許容せず、ひとりひとりの独立した自主性の集合体が結果として狂乱の場を形成することを一貫してオーディエンスに要求し続けた。
TVアニメ『杖と剣のウィストリア』Season2オープニング主題歌の「BELIEVERS」からはさらにギアを上げ、『ブルーロック』関連楽曲が連発されるクライマックスに突入。『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』挿入歌の「Beast Mode」、TVアニメ『ブルーロック』2クール目オープニング主題歌の「Judgement」、さらにはスマートパチンコ機『eフィーバーブルーロック』搭載曲の「エゴナウェイ」も惜しみなく披露された。曲中ではASHの懇切丁寧な指導のもと、初めてASH DA HEROのライブに参加する初心者らをも巻き込んだ大規模なサークルモッシュを発生させ、ASH本人も群衆の上で熱唱。会場のボルテージは終始、天井知らずに上昇し続けるほかなかった。


熱気渦巻く客席へ向け「星の数ほどある選択肢の中から今日この場所を選んでくれてありがとう!」と感謝の言葉を口にしたASHは、「クソみたいな現実に負けそうなときは、いつだって俺たちのライブに会いに来てくれ! お前の居場所を用意して待ってるから!」と呼びかけ、メロディアスなラストナンバー「Prologue」を熱演。フロアに盛大なシンガロングを起こしながら、一陣の爽やかな風を吹かせるように希望のメッセージを歌いあげたのち、客席のひとりひとりと余さず目を合わさんばかりの勢いで「令和最強のロックバンド・ASH DA HEROでした! またライブハウスで会おうぜ!」と高らかに告げてPassCodeにバトンをつないだ。

■PassCode
興奮冷めやらぬオーディエンスがざわつきながらASH DA HEROの余韻に浸る中、ステージ上ではドラムセットやアンプ類の転換作業が急ピッチで進行。しばしの間を置いてPassCodeのバンドメンバーが姿を現すと、フロアからは早くも歓迎の歓声が上がる。オープニングSEが響きわたり、暗転したステージをレーザー照明がダイナミックに照らし出すと、おもむろに南菜生、高嶋 楓、大上陽奈子、有馬えみりが自信満ちた足取りでステージ上へ歩み出た。
すると歓声のボリュームがまた一段アップし、自然発生的に観客からコールが沸き起こる。4人はそんな客席を尻目にフォーメーションにつき、南が落ち着いた声色で「PassCode、始めます」と宣言。すかさず始まった南のソロパートと呼応するかのように、エッジィなディストーションギターとバウンシーな四つ打ちに導かれたバンドアンサンブルが会場の熱気をさらに密度高く塗り替える。彼女たちのMoooD Records移籍第1弾リリースにして、TVアニメ『SHY』第2期オープニング主題歌にもなった「WILLSHINE」がライブの幕開けを華やかに、かつ重厚に飾った。


その「WILLSHINE」の衣装であるヒロイックな赤白のコスチュームに身を包んだ彼女たちは、各人のソロ歌唱パートやユニゾンパートに加え、グループのシグネチャーパフォーマンスといえる有馬のグロウルやシャウトをはじめ、多彩な歌唱表現を効果的にちりばめながら、コンテンポラリーなテイストを感じさせるしなやかなダンスとともに楽曲の深遠な世界観を余すところなく具現化していく。フロアを埋め尽くすオーディエンスは、ハッカー(PassCodeファンの呼称)も初見の観客も分け隔てなく一様に体を揺らし、拳を掲げ、歌声や叫び声を上げ続け、メンバーやバンドとともにヘヴィでラウドかつスリリングなグルーヴを構築していった。


約50分間の持ち時間を通じて彼女たちが披露した楽曲は、昨年リリースの4thアルバム『INSIGNIA』収録曲が大半を占め、アニメタイアップ曲は「WILLSHINE」「Ray」の2曲のみ、対バンライブとしては極めてストイックな選曲で構成された。楽曲を知っているかどうかにかかわらず、音楽そのもののクオリティとライブパフォーマンスだけで十分に観客を満足させることができる、という彼女たちの信念と自信が色濃く表れたセットリストだ。その姿勢は、MCにおいて発せられた「言いたいことはたくさんありますけど、曲をたくさんやります。その中で感じ取ってもらえたらいいなと思います」という南の言葉にもよく表れている。
「バンダイナムコミュージックライブに移籍してからそんなに経ってないんですけど、こういう大切なイベントにPassCodeも呼んでもらって、すごくうれしいです!」と顔をほころばせた南は、「まだまだこれからもお世話になる予定なので、どうぞよろしくお願いします(笑)」とレーベルへの信頼をのぞかせる。シリアスな楽曲表現とほがらかなトークのギャップでも聴衆を魅了した彼女たちは、「きっとここ(Shibuya LOVEZ)にもまた戻ってくると思うので、そのときは皆さんもぜひ遊びに来てください!」と期待を持たせた。

ライター:ナカニシキュウ
カメラマン:
▶PassCode:小野百恵(@mo_momomooji)
▶明くる夜の羊:浅香郁絵
▶ASH DA HERO:井上翔
■セットリスト
明くる夜の羊(オープニングアクト)
01. 蹴り飛ばして
02. あの日の僕ら
03. グッドラック
04. 涙の隣
05. 今もこの街で
ASH DA HERO
01. YELLOW FEVER DANCE
02. HERO IS BACK 2
03. MANIFESTO
04. LA VIDA LOCA
05. ボタニカル・ダンス・クラブ
06. ブラッパ!!
07. BELIEVERS
08. Beast Mode
09. Judgement
10. エゴナウェイ
11. Prologue
PassCode
01. WILLSHINE
02. DESTINEX
03. Freely
04. rise in revolt
05. GROUNDSWELL
06. VIRIVIRI
07. Ray
08. ONE STEP BEYOND
09. SPARK IGNITION
10. One Time Only
11. Clouds Across The Moon
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