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Interview

【インタビュー】岡本信彦7thシングル『綺羅桜』リリース記念インタビュー

岡本信彦が約1年ぶりとなる新作『綺羅桜』を10月22日にリリース。今作には5月の「キラフェス2025」でも披露された『万華鏡』をはじめ、“和”をテーマにした3曲を収録。表題曲『綺羅桜』の歌詞に込めた思いやMUSIC CLIP制作の裏側、さらにはカップリング曲についてのこだわりを自身の口からたっぷりと語っていただいた。
Interview & Text by 倉田モトキ

『綺羅桜』の裏テーマは男花魁。言葉遊びや矛盾した世界観の歌詞にも注目を!

――7枚目のシングル『綺羅桜』に収録された3曲はどれも和の要素をフィーチャーした構成になっています。まずはこのコンセプトが生まれた経緯からお話しいただけますか?

岡本信彦 そもそものスタートは、和の楽曲をもっと増やしたいというところにありました。これまで『朧月』(1stフルアルバム8piece』収録)や『雷光』(7thミニアルバム『FAVE go』収録)を作ってきましたが、逆に言えば、和の楽曲はその2曲しかなかったんです。それに、ソロライブや「Kiramune Music Festival(以下、キラフェス)」で何度か和を感じさせる楽曲を披露してきましたが、それらも既存曲に新たなアレンジを加えたものが多かったんです。もちろん、それもすごく楽しいのですが、ライブで1つのコーナーを作れるぐらいもっと曲を増やせないかと思い、今回のシングルを作ることにしました。また、それとは別に、和の世界観でMUSIC CLIPを撮ってみたいという夢をずっと持っていて。それを叶えたかったというのもあります(笑)。

――映像のイメージありきで楽曲の方向性を決めていくことはよくあるんですか?

岡本 僕の場合は、ビジュアル先行で進めることが多いかもしれないです。たとえば、昨年の『FAVE go』もサブカルをコンセプトにした、“病みかわいい”世界観を見せられたらなというイメージが最初にあったんです。そうしたアイデアは常にいくつか頭の中にありますね。

――なるほど。では、それぞれの楽曲について詳しくうかがえればと思います。まずは表題曲の『綺羅桜』から。これまでの岡本さんの楽曲にはなかったタイプでしたので驚きました。

岡本 おっしゃるとおり、僕にとっては珍しい曲ですよね。プロデューサーから提案された時も、最初はちょっと悩んだんです。ただ、自分の考えだけで曲を選んでしまうと楽曲の雰囲気などが偏ってしまったり、聴く側にとっても新鮮味がなくなってしまうのでは……と思い、挑戦してみることにしました。

――悩まれたのは、岡本さんの中に別の候補曲もあったということでしょうか?

岡本 そうですね。今回は和のテイストでしっかりと踊れる曲にしたいという思いがあり、それに沿った形でコンペをさせていただいたんです。集まった楽曲の中にはイメージに合うものもたくさんありました。むしろ、最初の『綺羅桜』のデモはアラビアン感のあるエキゾチックな雰囲気を持っていて、和の要素がまったくなかったんです。仮の歌詞もほぼ英語でしたし。

――目指していたものとは方向性が違いますね。

岡本 そうなんです。僕の中では完全にノーマークの曲でした。ただ、このイメージとかけ離れた楽曲に新たなアレンジを加え、自分が書く歌詞を入れることで、どれだけ和のテイストを出せるんだろうということにも興味が湧いたんです。

――とても前向きな、逆転の発想ですね。とはいえ、英語の仮歌詞で埋め尽くされていた楽曲を和の世界観で塗り替えていくのは、作詞をするうえで大変そうです。

岡本 最初は、どうしようかなとしばらく考えていました(笑)。でも、方向性が固まってからは早かったです。普段、作詞をする時は誰かの背中を押してあげられるような応援ソングを書くことが多いのですが、『綺羅桜』に関しては言葉遊びを軸にしていこうと決めて。そのあとは、ひたすら雅な漢字をたくさん調べていきました。

――確かに、すごく漢字が多いですよね。

岡本 もう、ずっと辞書とにらめっこしてました(笑)。ちなみに、歌い出しにある〈金蘭〉という言葉は実在するランの花の一種です。語感が“Kiramune”にもかかっているし、きらびやかさも感じられるので、まずこのフレーズが最初に生まれて。そこからは〈奇奇奇乱〉や〈綺綺綺羅〉など、“きら”に聞こえるような言葉を探していきました。

――ほかにも韻を踏んでいるフレーズが多く、耳心地がいいです。

岡本 ありがとうございます。ただ、言葉遊びだけだと歌詞全体が浅くなってしまう気がして。そこで、あえて矛盾するような反語を入れるようにしました。〈金蘭〉に続く〈黒闇(こくあん)〉は“真っ暗な様”といった意味があり、きらびやかなものだけでなく闇のように黒いものも手に入れたいという強欲さを表現しています。また、春にしか咲かない桜のことを歌っているのに〈四季を打ち消し〉という言葉を使ってみたり、何色にも染まるはずのない黒を〈染め上げ〉と表現したりと、いろんな矛盾した世界観も描いているので、そこも楽しんでいただけたらと思います。

――待望だったMUSIC CLIPの撮影はいかがでしたか?

岡本 すごく楽しかったです。今回、一番やりたかったのが扇子を使った踊りだったんです。『朧月』のMUSIC CLIPでも扇子を使った動きがあるので、そこに繋がるものにしたいなという思いがあって。また、畳のあるスタジオで撮影をすることになったので、畳を傷めないように振付師のNAOKI君に上半身だけで完結する動きを考えていただいたんです。そこにプラスして扇子があったおかげで上半身だけでも映える動きになり、結果的に大好きな振付と映像になりましたね。

――またMUSIC CLIPもジャケットも赤を基調にされています。これはどういった経緯で?

岡本 今回は“男花魁”を裏テーマとして設けたんです。それに、偶然なのですが、歌詞にも〈赫焉〉というワードが出てくるので、きっと僕の中で赤色に染まった世界観が潜在的に最初からあったんだと思います。衣装はスタイリストさんに特注で作っていただいたのですが、その時から赤をベースにしたいというオーダーもさせてもらっていました。そのことでMUSIC CLIPもジャケット写真も妖艶さのあるものになっていて、すごくお気に入りです。

恋愛ソングの『万華鏡』と少し異質なメロディの『玉響』 、和の楽曲の幅広さを楽しめるカップリングになっています

――続いて、カップリング曲『万華鏡』についてもおうかがいします。こちらは5月に開催された「キラフェス2025」でひと足早く披露されていましたね。

岡本 この曲は『綺羅桜』よりも前に作ったものなんです。いわば、今回のシングルのすべての始まりとなった曲なんです。じつは今年開催したソロライブツアー『Love Culture』の中で鬼退治の演出をしたのですが、「キラフェス2025」でもそれを新しい形でもう一度やりたいという思いがあって。それで『万華鏡』を今回のシングル制作に先行する形で作っていきました。

――当時から和をコンセプトにしたシングルを出したいという思いがあったんですね。実際にステージで歌ってみていかがでしたか?

岡本 和傘を使ったパフォーマンスを入れていただいたのですが、思いのほか重くて、動きが少し難しかったです。それに、和傘の中から仕込み刀が出てくるという演出をどうしてもしたくて。仕込み刀にこだわったのは、単純に“シャキーン!”と出てくる様がカッコいいからという理由なだけなんですけど(笑)、その夢が叶ったことも嬉しかったです。

――楽曲自体が初披露ということもあり、お客さんの盛り上がりもすごかったです。

岡本 AメロからBメロ、さらにサビに向かってどんどんメロディが壮大になっていきますし、とてもライブ映えする曲だなと感じました。デモをいただいた時は、どちらかというとアニソンチックな雰囲気があったんです。歌詞の言葉数も多く、1つの音の中に二文字以上入っているような速いテンポ感だったので、そこは逆に音を伸ばすようにして、ゆったりめの歌詞にしていただきました。それに作詞をしてくださったありがたみクラブさんとは初めてご一緒させていただいたのですが、花占いの要素を盛り込んでいただいたりと、とても素敵な恋愛ソングにしてくださって、これを表題曲にしてもいいなと思えるほどでした。

――そして、シングルのラストを飾るのが『玉響』。他の2曲とはテイストが異なりますね。

岡本 ちょっと異質ですよね。今回はどれもダンス曲を軸にしてコンペで選んでいく予定だったのですが、和のテイストでミディアムテンポの曲をこれまで歌ったことがなかったので、むしろそこが一番の決定ポイントになりました。それに花火を連想するような世界観も感じさせてくれたので、そこも和っぽいなと思い、“この曲を歌いたい!”と即断しました。

――歌詞についてはどのようなオーダーを?

岡本 じつはPA-NONさんにすべてお任せしていたんです。そうしたら、〈ひらり〉という言葉が印象的に使われていて。そこが少し『綺羅桜』と似てしまってるかなと感じたんです。でも、和の世界観を言葉で表現しようとすると、どうしてもオノマトペが近くなってしまうんですよね。

――『万華鏡』にも〈ゆらり〉や〈はらり〉というフレーズがありますしね。

岡本 そうなんです。むしろそのほうが統一感も出せていいのかなと思いました。それに3曲とも曲調が異なりますし、似た語感の言葉でもメロディが変われば違った印象を楽しんでもらえるのではと思い、そのままにしました。

――今回のシングルでは和をコンセプトにした3曲に挑戦されましたが、あらためて和の楽曲の魅力はどんなところだと感じられましたか?

岡本 笛や和太鼓といった和楽器の音は、日本人のDNAに根付いているんだなと思いました。それぞれの音を聴くだけで気持ちが高揚していきますし、歳を重ねるたびにさらにその良さが分かってくる。そこが不思議でもあり、楽曲を作っていて楽しいところでした。また、3曲ともタイプの異なる幅広い楽曲になっていますし、これらを引っ提げて、いつかライブで和のコーナーを作るのもすごく楽しみです。

――すでに構想はあるんでしょうか?

岡本 あると言えばあります。でも、何かしらの演出を混ぜていくよりも、まずは純粋に楽曲の良さを伝えていきたいなという思いもありますね。……と言いつつ、そのうちまた「せっかくだし、退治したい!」って言ってるような気もしますが(笑)。

――(笑)。次は何を退治するのか楽しみです。

岡本 これまでにも最初に龍を倒し、次に魔王を倒し、前回のツアーでは鬼を退治しましたからね。……となると、次は神谷(浩史)さんかな(笑)。

――まさかのお名前が(笑)。

岡本 やっぱりいつかはKiramuneメンバーを倒したいですね。少し前に『KAmiYU in Wonderland 5』の映像を観たのですが、悪役を演じていた神谷さんがすごく楽しそうだったんですよ。きっとご本人に訊いたら「別に好きじゃないよ」って言いそうですが、あの生き生きとした神谷ヴィランを倒すのが、今の僕の夢の一つでもあります(笑)。

岡本信彦7thシングル『綺羅桜』

配信サイト: https://lnk.to/LACA-24748d
豪華盤:https://lnk.to/LACA-34748
通常盤:https://lnk.to/LACA-24748

【CD INDEX】※豪華盤・通常盤共通
1.綺羅桜
作詞:岡本信彦 作曲:Yuqui-lah、Ellie GateGolden、Masahiro Tsubonuma、ツタガワユウキ 編曲:渡辺拓也
2.万華鏡
作詞:ありがたみクラブ 作曲:丸山真由子(Blue Bird's Nest) 編曲:倉内達矢
3.玉響
作詞:PA-NON 作曲:K 編曲:湯浅 篤

【BD】
1.「綺羅桜」(MUSIC CLIP)
2. Making of「綺羅桜」
3. TRAILER

Kiramune Presents READING LIVE 2025 「アラタマフェンス」東京公演チケット発売中!

Kiramune Presents READING LIVE 2025 「アラタマフェンス」
【東京公演:TACHIKAWA STAGE GARDEN】
 
◇2025年11月1日(土)
[昼公演・Aチーム]13:00開場/14:00開演
[夜公演・Aチーム]17:30開場/18:30開演
◇2025年11月2日(日)
[昼公演・Bチーム]12:00開場/13:00開演
[夜公演・Bチーム]16:30開場/17:30開演
 
[Aチーム]出演
上村祐翔/江口拓也/木村良平/新祐樹/浪川大輔/緑川光/吉永拓斗/吉野裕行 ※五十音順
[Bチーム]出演
市川太一/岡本信彦/置鮎龍太郎/神谷浩史/竹内良太/保住有哉/堀江瞬/代永翼 ※五十音順
 
◇特設サイト
https://kiramune.jp/live/reading2025/
 
◇チケット
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※先着順のため、予定枚数に達し次第終了となります。
 
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